鎌倉市の収入確保に向けて

職員の市内在住率を上げて安定税収と危機管理強化

 現在、鎌倉市在住の職員は全体の37.5%で、4割を割っています。事務職の採用試験は8月と12月に行ない、2011年の受験者950人中、市内受験者は122人で、12.8%にすぎません。鎌倉市の若者にとって市役所が魅力ある職場に映るよう、職員の就労意識の向上を図ることは重要です。また、他市から通勤する職員に、鎌倉市に住みたいと思ってもらうことも必要です。

 2012年度は約5億8000万円の市税減収見込みです。主な要因は、経済の低迷と高齢化に伴う個人市民税の減収によると考えられます。現在、いわゆる昭和の鎌倉攻めと言われて昭和30〜40年代に開発された住宅地での空き家が目立ちます。政策創造担当が「長寿社会のまちづくりの在り方」として、モデル的に行なっている今泉台でも、空き家や交通確保、地域活性化が重要な課題となっています。

 そこで、新入職員や希望者に、鎌倉市の地域を知る研修として、空き家を利用して住み、地域住民とのつながりを大切にしながら課題を共有する体験をする研修制度を提案しました。その経験を経て、鎌倉市に永住できるような政策、まちづくりをしていくことが大切です。

 職員の市内在住率を上げることで安定した税収につながり、災害時危機管理の観点でも安心感があります。鎌倉市は、他自治体に比べ固定資産税が高いため、地域手当や住宅手当・通勤手当などを含めた給与体系そのものの見直しを視野に入れ、収入確保のために職員にもユニークなアイディアを出してほしいものです。