もう一つのヒバク「携帯電話基地局の健康被害を考える」シンポジウム

携帯基地局周辺での健康被害の実態

 渋谷にある東京ウィメンズプラザで、24日、「携帯電話基地局の健康被害を考える」シンポジウムが開催されました。北海道から沖縄まで、全国から220人を超える人たちが集まりました。ヒバクを避けるために、全身アルミで覆ってきたという人もいました。

 電磁波環境研究所所長の荻野晃也さんは、基調講演の中で「放射線は電磁波の仲間です。だから、もう一つのヒバクと書かれているのです」と言われました。電磁波とは太陽光線の仲間で、エネルギーの高いのが原発や原爆で知られるガンマ線などの電離放射線(放射能)で、エネルギーの弱いのが「電波」と呼ばれる非電離放射線ということです。福島原発事故以降、放射能の問題が連日取り上げられていますが、携帯基地局から発せられる電磁波の問題も忘れてはいけません。

 携帯基地局の影響と思われる耳鳴り、肩こり、鼻血、目の痛み、不眠、不整脈などの健康被害を訴える「電磁波過敏症」は、ダラスにある環境医学病院のレイ博士が1990年に命名しました。世界中に多くの患者が存在し、増える一方で、このまま増加傾向が続けば2017年には全人口の50%になるとの警告論文を2006年に発表されています。

 住民の多くが健康被害を訴え、撤去のお願いも聞き入れられず、訴訟に踏み切った延岡市大貫町の原告団の方も来ていました。驚いたことは、若い職員が勉強のために来ていたことです。えらい!集まった多くの人たちは、地元に帰ればまた戦いが待っています。「電磁波過敏症」について、一人でも理解してくれる人を増やすことが、エールを送ることだと思います。さらに、鎌倉市の条例をより良いものに見直し、広げていく役目が私たちにはあると実感しました。

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