議員年金にはやはりNO!

神奈川ネットは1999年から「議員年金廃止運動」に取り組んできました。2006年に国会議員年金、2011年には地方議会議員年金が年金財政の破綻によって廃止されました。しかし、未だに3期12年掛け金を支払ったことで受給権を得た退職議員には年金が支給されています。ちなみに、2011~2017 年に市議会・町村議会・都道府県議会の各議員共済会に全国の自治体が支払った総額は、以下の通りです。

市 議 会   3,750億3,277万7,000 円
町 村 議 会   1,166億8,139万1,447 円
都道府県議会  394億7,103万6,326 円
計       5,311億8,520万4,773 円

家族を含め支給対象者がいなくなる完全廃止まで、今後50年以上にわたりまだ約1兆円程度の税金が投入され続けます。

2016年には全国市議会議長会から各自治体議会に対し、地方議会議員の厚生年金制度への加入に向けて関連法の改正を国に要望するよう求めてきました。その求めに応じた議会も出てきています。厚生年金は被用者のための年金制度で、保険料の半分を事業者が負担しています。議員の場合は、当然税金を投入することになり、年金のために毎年約170億円、医療保険で110億円程度が新たに必要とされています。

現在、議員は国民年金に加入しています。国民年金だけでは老後が心配だというのであれば、まず国民年金制度を改革することに全力を挙げることが議員に求められることです。神奈川県議会議員の報酬は、期末手当含め年額1681万円で、政務活動費634万円を加えれば2315万円にもなり、かなり高額です。一方、非正規雇用で働く人の中には、年金の掛け金を支払えない人もいます。議員が率先して自らの身分保障を求める特権的な提案は、到底市民に受け入れられるものではありません。

また、議員は4年に一度選挙で選ばれます。これからの4年間を託されるのであり、議員の老後まで認めてもらっているわけではありませんよね。