集団的自衛権の行使容認についての意見書 鎌倉市議会で可決!
6月27日の鎌倉市議会最終本会議で、「集団的自衛権行使を容認する憲法解釈についての意見書」が賛成多数で可決しました。閣議決定のみによる集団的自衛権行使容認という憲法解釈変更を行わないように強く要望する内容です。
これまで集団的自衛権については、内閣府法制局長官が、憲法9条のもとで、自衛のため必要最小限度の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権はその枠を超えるとし、憲法上許されないと答弁してきました。政府も一貫してこの立場を維持してきましたが、安倍政権は、過去60年以上にわたって行われてきたこの憲法解釈の変更を、時の内閣の閣議決定だけで行おうとしています。
これは、安倍首相の私的諮問機関である「安全保障の私的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書に基づいているにすぎません。そもそも憲法解釈はどこが役割を持っているのかと言えば、日本では、三権分立の中の司法府である最高裁判所が兼務する構造になっており、行政府の長が一存で行って良いものではありません。
憲法は、国家権力を制限するものであり、政府やあらゆる法律を拘束するものです。権力を制限されている側が、憲法解釈を自ら変更することは、立憲の原則に反し、歯止めがかからなくなります。しかも平和憲法の根幹にかかわる9条の解釈を、国民的議論も国権の最高機関である国会での審議も経ず、一内閣が閣議決定することなどあり得ません。
安倍政権は公明党との協議を進めており、日々その内容が報道されるにつけ、どんなに言葉を修正しても、個別的自衛権の枠を超え、自衛以外の武力行使に踏み出す懸念は払しょくできません。例えば、「危険のおそれ」を「明白な危険」に変更しても、明白な危険を判断するのは政府であり、その危険の情報は安全保障上の「特定秘密」と指定されることが想定され、情報がどこまで出されるかわかりません。正しい判断がされる保障など見当たらず、チェック機能が働かなくなることは容易に想像できます。
憲法は、国民が権力者を使う指示書であると言った人がいました。だから、憲法を変えることができるのは国民だけだと。第2の基地県である神奈川から、平和憲法を守る活動を広げ、ともに生きる実践を重ねている大勢の市民と連携して、人権が尊重される社会をつくっていきます。